箱入り結婚のススメ
園に就職するときも、家を出る覚悟があるとは伝えた。
だけど、気持ちを伝えただけで、行動に移そうとは思わなかった。
でも、今は違う。
「あなた、止めてください」
「勝手にしろ」
私はリビングを飛び出し、部屋に戻ってコートとバッグを手にすると、家を飛び出した。
いつも持ち歩くバッグの中には、お財布とスマホ。
こんなことになるなんて……。
室賀さんと話をしているときは、なんとか認めてもらえたと思っていたのに。
父は、最初からまったく受け入れる気がなかったのだ。
家からすぐに着信があったけど、私は出なかった。
おそらく、母だろう。
母には申し訳ないことをした。
どこに、行こう……。
麻子に電話をしようと思ったけど、井出さんとデートかもしれない。
そうすると、やっぱり頼れるのは、彼しかいない。