箱入り結婚のススメ
「もしもし」
『舞さん? どうした?』
さっき別れたばかりの室賀さんに電話を掛けると、すぐに出てくれた。
「あの……」
彼の声を聴けただけで、安心して涙が溢れる。
『舞さん、もしかして泣いてる? すぐに行く。今、どこ?』
「いえ……あの……駅前」
『そこで待ってて。すぐに行くから』
電話が切れてしまうと、少しだけ冷静になった。
父の言葉にカーッとなって、言い返してしまった。
あそこまで言うつもりは少しもなかったのに。
おそらく父もそうだ。
互いに感情的になりすぎて、言わなくてもいいことまで言ってしまったかもしれない。
室賀さんは、それから十五分ほどで駆けつけてくれた。
「舞さん……どうしたんだ?」
「ごめんなさい、私……」
父と喧嘩をして家を飛び出してきてしまったことを話すと、彼は目を丸くして驚いている。