箱入り結婚のススメ

「室賀さん、ありがとうございます」

「いえいえ。本当はもっと高価なものでもいいんだけど、舞さん、受け取ってくれなさそうだし」

『もっと高価なもの』だなんて。
もちろん受け取ったりできない。


「でも、クリスマスと誕生日は、押し付けるから」


恋人ってそういうものなのかな。
クリスマス前は、どの雑誌もプレゼント特集のようなものが組まれるし、有名なアクセサリーショップ等には人だかりができている。

そういうことですら経験のない私は、過去に見た光景を思い浮かべた。


「それじゃあ、食事にでも行こうか?」

腕時計をチラッと見た彼は、今度はさりげなく私の手を握って歩き出した。
だけど……。


「もう少し、見てもいいですか?」

「うん。いいよ」


その通りにあったデパートに入ると、思ったより人が多い。
時々人にぶつかりそうになる私の肩を抱いた彼の仕草が実にスマートで、そんな些細なことでも胸が高鳴る。

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