箱入り結婚のススメ
「主人も、本当は反対するつもりはなかったんだと思います。
最初から反対なら、室賀さんの言葉に耳を傾けたりはしません。そういう人ですから」
母は小さく溜息をついた。
「だけどいざとなると、大切な娘を取られるみたいで、踏ん切りがつかなかったんです。
だから、一度は交際を認めたくせに、意地悪なことを言ったのかもしれません」
母の分析は、実にわかりやすかった。
「私は、舞の良いところをきちんとわかってくださる室賀さんに、驚きました。
今日のところはお引き取りください。主人には私の方から話してみます」
母は、室賀さんを気に入ってくれたのかもしれない。
「ありがとうございます。それでは、おやすみなさい」
室賀さんは母に挨拶をした後、私に視線を送った。
私が小さく会釈すると、彼も同じようにしてくれて、意志が通い合っているような気がしてうれしかった。