箱入り結婚のススメ

いつの間に?
私がお手洗いから戻ってきたとき、どこかに電話をしている姿は見かけたけど、もしかしてあれは……。


「室賀さん。ご迷惑をおかけしましたよね」

「いえ、とんでもありません。
ご心配をおかけするようなことをして、申し訳ありませんでした。
あの、お父様にも謝りたいのですが」


室賀さんの言葉に驚いた。
彼が謝る理由なんてひとつもない。
それどころか、イヤなことばかり言った父が謝るべきだ。


「すみません。今、主人は頭に血が上っていまして。
今日、室賀さんが来てくださって、おそらく反対のしようがない人だと、わかったんだと思います。
あなたの言葉は胸に響きました」


母の口からそんな言葉が飛び出すなんて予想外だ。


「ですが、舞の成長の早さについていけないんです。
私達が御膳立てをしてやらなければと思ってきた舞が、こんなにしっかりとした方を自分で連れてくるなんて、私も驚きましたから」


室賀さんは母の言葉に優しく微笑んだ。

< 174 / 450 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop