箱入り結婚のススメ
「ま、私のことは置いておいて」
「置いとけないよ。私の恋愛相談してる場合じゃないもん」
私が麻子の相談に乗ったところで、悩みが解決するとは到底思えない。
だけど、少しでも気持ちが楽になるのなら、聞いてあげたい。
「大丈夫。井出君を信じてるから」
「麻子……」
「だから舞も、室賀さんを信じてついていけばいいのよ。
それにさ、お父さんに意見言えるようになったなんて、室賀さんに出会ってから、舞はすごく成長してるじゃない。
恋は人を強くするのよ」
ハンバーグにナイフを入れた麻子は、私を見つめて、にっこり笑った。
『恋は人を強くする』か。
確かにそうだ。
父に発言するときも、室賀さんの顔が頭に浮かぶ。
“箱入り”だなんてよく言われる私だけど、それだけじゃ嫌だ、自分の意思をわかってもらいたいと思い始めたのも、室賀さんの影響が大きい。