箱入り結婚のススメ
私は小さく頷いた。
わかった、訳ではない。
実際のところ、経験のない私にはよくわからない。
だけど、麻子の言うとおり、室賀さんを信じて任せればいい気がした。
「もうすぐ発表会ね。明日から、忙しくなるわよ」
レストランを出ると、麻子が空を見上げる。
「頑張らなくちゃね」
「うん。でも舞は自分のことも頑張りなさい。忙しくても話は聞けるからね」
「ありがと、麻子」
本当にいい友達を持ったと思う。
学生時代の友達で、ここまで互いのことに踏み込んだ関係の人はいない。
それなりに楽しく過ごしてきたけど、麻子とは違う。
「麻子もね」
「ん?」
「箱入り息子さんのことで悩んだら、相談に乗るし」
「あはは。舞にそう言われちゃ、私も終わりよ」
クスクス笑う麻子は「ありがと」とつぶやいた。