箱入り結婚のススメ
カニクリームコロッケを食べながら、麻子に言われたことを考える。
『男は皆、性欲ってのがあるわけ』という麻子の言葉に激しく動揺して、心臓がバクバク言っている。
室賀さんのことが、好きだ。
だから付き合っていくのなら、そういうことだって当然あるだろう。
でも……怖い。
「舞。考えすぎないの。
体の関係ってのは、別に好きという感情が伴わなくてもできることなの。
舞にはそんな経験はしてほしくない。でもね……」
室賀さんは、体だけが目的な人とは違う。
麻子に言われなくたってわかってる。
でも……。
「素直になることよ。
この人に抱かれたいと思ったら、抱かれればいい。
他の人が相手なら、私、こんなこと軽々しくは言わないよ。
でも、室賀さんの話を聞いていると、この人ならって思うの」
「麻子……」
麻子は、最後に残っていたライスを口に放り込んだ。
「室賀さんに任せたらいい。
だけど、自分の気持ちにだけは嘘をつかないで。わかった?」