箱入り結婚のススメ
『舞さん。僕は舞さんの声を聞くと頑張れるんだ。それだけで十分』
彼はきっと、私の言いたい言葉がわかったのだと思う。
だけど、恥ずかしくて言えない気持ちも。
「私も、頑張ります」
『うん。仕事は順調?』
それから室賀さんは、私の仕事の話を聞いてくれた。
私がほんの少し褒められたことを、彼はとても喜んでくれた。
「あっ、すみません。電話代……」
『そんなこと気にしなくていいよ。
舞さんの弾んだ声を聞けるなんて、朝からいい気分だよ』
そうは言っても、国際電話だ。
私は室賀さんと話せるのがうれしくて、つい長くなってしまったことを反省して、電話を切った。
電話があるなんて、予想していなかった。
忙しいだろうし、時差もある。
だけど、彼と話ができると、気持ちが上がって、明日も頑張ろうと気力が湧いてくるのを感じる。
私……本当に彼のことが好きなんだ。
そんなことを自覚する時間だった。