箱入り結婚のススメ

ギプスをしているものの、指先は自由に使えるから、なんとか作業はできている。


「これにしましょう」


薄いピンクの布に合いそうな、赤のグラデーションのスパンコールのブレードを見つけた私は、即決した。


「へぇ。布がピンクだから、水色辺りがいいのかと思ってました」

「それもいいですよね。
だけど、今回は他の子の衣装の兼ね合いもあるので、同系色でまとめた方がいいと思うんです」

「なるほど」


いわゆる騎士の役の男の子は、ブルー系統でまとめている。
お姫様役の女の子は、ピンク系でまとめた方がすっきりすると思ったのだ。


布が思ったより重く、結局小栗先生が全部持ってくれた。


「すみません」


本当は下っ端の私がやることなのに。


「気にしないって言ったでしょう? ま、そういうところがかわいいんですけどね」

「かわいいなんて。毎日泥だらけですよ」

「あはは」


小栗先生は、声を上げて笑うと、すぐに車を発進させた。

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