箱入り結婚のススメ
「ここは八分の一ってことね。やっぱり外で頑張らないと」
「小栗先生が、希望ヶ丘の先生と付き合うって、決まってないでしょ?」
「それじゃあ確率ゼロじゃない。ますます外よ!」
そう意気込む麻子は、ついこの間まで彼氏がいた気がするんだけど……。
「えーいいわよ、私は」
「いいじゃないの。そんなこと言ってると、気がついたときにひとり取り残されてるわよ」
「うーん」
あまり気乗りしなかったけど、私は麻子の押しに負けて合コンにいくことにした。
といっても……。
「まさか、舞って、合コン初めてなの?」
「うん」
「うんって……」
私はいわゆるエスカレーター式の学校に幼稚園から通っている。
そこは、キリスト教の信念に基づいたミッションスクールで、幼稚園から大学まで女子校だった。
女子校は共学よりも乱れているなんて声も聞くけど、かなり厳しかった私の学校は、常に規律が守られていて、日々上品に気品高くが良しとされていた。