箱入り結婚のススメ
そしてなにより……園児達が衣装を心待ちにしていた。
じゃんけんに負けてしまった清志君の役は、隣の国の兵士だ。
このころの男の子は“武器”が大好きだと知っていた私は、彼らのために衣装とは別に、段ボールとアルミホイルで剣を作った。
「これ、いいですよ、絶対」
ミシンは苦手でも、小物作りはできると言って手伝ってくれた小栗先生も、剣の出来に満足しているようだ。
「子供達、喜んでくれるでしょうか」
「そりゃあもちろん」
そんなことをしていると、もう二十時を超えていた。
年長担当の麻子は、少し前に作業を終えて帰ったようだ。
「遅くなりましたね。速水先生、バスですよね」
「はい、そうです」
もう本数の少なくなってしまっている時間だ。
「よければ送ります」
「いえ、申し訳ないですから」
小栗先生の思わぬ申し出に、恐縮してしまう。
ミシンは私の方ができるとはいえ、大道具はほとんど小栗先生に作ってもらったし、私が勝手に作り出した剣までも、残って手伝ってくれたのだから。