箱入り結婚のススメ
「私達、結婚することにしたの」
「ホントに!?」
「うん。今日、彼の実家に挨拶に行ってきた」
照れくさそうにしている麻子は「ねっ」と井出さんに同意を求める。
「よかったー」
「やだ、なんで泣くのよ」
あははと笑う麻子だって、うっすらと目に涙を浮かべているくせに。
「麻子が、速水さんがずっと険しい顔してたって言ってたから。心配かけちゃったね。ごめんね」
私は思いっきり首を横に振った。
最高の結果だもの。なにもいうことなんてない。
「彼、やっぱり実家を継ぐって。
それで、ご両親に私と結婚したいって説得しててくれたみたいなの。
言ってくれればいいのに」
膨れっ面をしながらも、麻子はとても幸せそうだ。
「それでOKって?」
「うん。私みたいなじゃじゃ馬が、広大の家の嫁なんて務まらないかもって思ったけど……。うん、あの……」