箱入り結婚のススメ
「秀明さん……」
「ん?」
「私も、です。私も、会いたくてたまらなかった」
思いを言葉にするのは照れくさい。
だけど、やっぱり言葉にしなければ伝わらないこともあるし……彼が私にはっきり愛を示してくれると安心するように、私も彼にそうしてあげたい。
離れていても、あなたを待っているのだと、教えてあげたい。
秀明さんは、私を一層強く抱きしめて、しばらくそのまま動かない。
懐かしいような彼の温もりに包まれて、私はたまらなく幸せだった。
「舞……結婚、しようか」
「えっ?」
秀明さんの言葉に驚いて思わず彼の顔を見上げると、とても冗談を言っているようには見えない。
「舞、俺と……結婚してほしい」
これが、プロポーズっていうやつ?
あまりの不意打ちになにも言えないでいると、彼は再び口を開いた。