箱入り結婚のススメ
アクセサリーのブランドショップの並ぶ三階に降り立った彼は、「俺、わからないぞ」と笑う。
「あの……ホントにいいんですか?」
「もちろんだ。
一生に何度もこんな大きな買い物してやれないから、うんとわがまま言えばいい」
にっこり笑った秀明さんは「ほら」と私を促した。
迷う私をクスクス笑う秀明さんは、ズンズン足を進めて、店内に入って行く。
「本日は、プレゼントですか?」
「えぇ、婚約指輪を」
「それは、おめでとうございます」
店員さんに小さく拍手されて、なんだか照れくさい。
だけど、まったく知らない第三者にこうして祝福してもらえるのは、とても幸せなことだと思う。
婚約指輪と聞いた店員は、私達を一番奥のブースに連れて行った。
「どういうのがお好みでしょう」
「えっと、あの……」