箱入り結婚のススメ
「真剣に交際を考えている人達だし、こっちが真剣なのもわかってる。
連絡先を聞かれたら、教えてもよかったんじゃない?」
だけど、本当にアドレスがわからなかったんだし。
少し落胆した様子の麻子は、「言っておけばよかった」とつぶやいた。
「すごくいい雰囲気だったんだけどなぁ。
でもさ、舞。室賀さん、嫌いじゃないでしょ?」
「うん。とっても楽しかった」
ホラーの話も盛り上がったし、とても優しい人だった。
「いい男も舞には撃沈ってわけか。まぁ、私がなんとかするか」
「なんとかって?」
麻子が言うと、本当になんとかなりそうだけど、今回ばかりはどうにもならないだろう。
「いいの、いいの。
でも今度はメアドくらいは交換しなさいよね。
やり方わからないときは、やってもらえばいいのよ」
「そう、なのかぁ」
やっぱり難しい。
今回は交換してもよくて、ダメな時もあって……そんなの恋愛スキルのない私には、判断できそうにない。