箱入り結婚のススメ

「真剣に交際を考えている人達だし、こっちが真剣なのもわかってる。
連絡先を聞かれたら、教えてもよかったんじゃない?」


だけど、本当にアドレスがわからなかったんだし。
少し落胆した様子の麻子は、「言っておけばよかった」とつぶやいた。


「すごくいい雰囲気だったんだけどなぁ。
でもさ、舞。室賀さん、嫌いじゃないでしょ?」

「うん。とっても楽しかった」


ホラーの話も盛り上がったし、とても優しい人だった。


「いい男も舞には撃沈ってわけか。まぁ、私がなんとかするか」

「なんとかって?」


麻子が言うと、本当になんとかなりそうだけど、今回ばかりはどうにもならないだろう。


「いいの、いいの。
でも今度はメアドくらいは交換しなさいよね。
やり方わからないときは、やってもらえばいいのよ」

「そう、なのかぁ」


やっぱり難しい。
今回は交換してもよくて、ダメな時もあって……そんなの恋愛スキルのない私には、判断できそうにない。

< 39 / 450 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop