箱入り結婚のススメ

続いて、父がマイクを持った。

挨拶は代表してどちらかの父だけというのが主流のようだけど、父にもお願いした。

冒頭は、室賀の父と同じように形式的な言葉だったけど……。


「舞は、私の自慢の娘です。
少々厳しく、そして過保護に育ててきましたが、秀明君のおかげで、自分の足で歩くということの楽しさを実感したようです」

「お父様……」

「親としては、それが寂しいと思うこともありました。
ですが、私自身もそういう時を過ごしてきたのだと、思い出しました」


それからしばらく続いた父のスピーチは、涙なくしては聞くことができなかった。


「幸せだな。理解してくれる両親がいるって」


秀明さんが小さな声で私に囁く。
父に嫌な言葉を浴びせられたこともある彼が、そう言ってくれるのがうれしい。

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