箱入り結婚のススメ
「室賀のお父様とお母様にご挨拶しなくちゃ」
とはいえ、ボーッとしている訳にはいかない。
遠くから来てくれたのだ。
最後まできちんとしなくちゃ。
私が慌てて立ち上がると、秀明さんが止める。
「もう先に出たよ」
「そうなんですか? 私、ご挨拶もしないで……」
「大丈夫。今日も泊まりだから、舞の両親と食事に行くってさ。
緊張してあんまり食べられなかったらしいよ」
クスクス笑う秀明さんは、不意に私を引き寄せて耳元で囁く。
「それに……ふたりでゆっくりしなってさ。
もう家族だからいつでも会えるしって」
本当に幸せだ。
大好きな彼とこうして永遠を近い、素敵な家族までも手に入れて……これ以上の幸せなんて、もうないかもしれないと思う。