箱入り結婚のススメ
「書いてあった?」
「あっ、いえ……」
「男の車にすぐに乗る女は軽いってことか。
それで、なにに書いてあったのかな?」
「えっと……」
とてもトーンの低い声だ。
なんとなく答えなければ許されないような威圧感を感じるのは、私が焦っている証拠かもしれない。
「それで?」
「ウーマン、ライフです」
「ウーマンライフ?」
「……はい」
私は観念した。
恥ずかしすぎる。こんなことがバレるなんて。
「それはもしかして……雑誌かな? 聞いたことがある」
「……はい」
もう『はい』しか言えない。
しかも、恥ずかしくて室賀さんの顔を見ることができない。
「それを読んだわけだ」
笑われる、と思った。
せっかくお近づきになれると思ったのに、もう終わりだと。
「ふーん。それをいつも読んでるの?」
「えっと……麻子が、私は恋愛スキルが全然ないから、勉強しなさいって貸してくれて」
ここまで来たら、もう正直に言うしかない。