箱入り結婚のススメ

「麻子に時と場合によるって言われたんですけど、私には難しくて……」


ほとんど半泣きになりながら、私は告白した。
こんなことになるなんて、最悪だ。


「そっかー。速水さんにとって、合コンはそんなに大変だったんだ」


室賀さんの思わぬ言葉に顔をあげると、私が予想していた顔とは違って、優しく微笑んでいた。
さぞかしバカにされるとばかり思っていたのに。


「まずは……僕は軽い女だとは思わないから、乗ってくれる? しかもケガしてるんだし。
それに、軽い女ならもうとっくに落とせてるから」

「えっ?」

「いや、こっちの話」


私は再び室賀さんに促されて、今度こそ車に乗り込んだ。


「あっ……」

「まだなにか?」


シートに座った瞬間、自分が泥にまみれた洋服のままだったことに気がついた。
もちろん、幼稚園用の短パンだ。

< 56 / 450 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop