箱入り結婚のススメ
「僕の今までの経験はひとつも参考になりそうにない」
「えっ?」
「僕もウーマンライフ読みたくなってきた」
「いえっ、やめてください!」
私が慌てて止めると、室賀さんはクスッと笑う。
「速水さん」
彼は真剣な顔をして再び私を見つめ、口を開いた。
「速水さんと一緒にいると、すごく癒されるんだ。
一言一言、丁寧に言葉を選びながら話をする姿勢もきれいだなと思うし、そうやって雑誌を読んで前向きに頑張ろうとしているのにも、すごく好感が持てる」
「いえ。なにも知らなくて、恥ずかしいです」
恋愛のあれこれなんて、この歳なら当然身に着けていていいことなのかもしれないのに。
「僕は結構、本気、なんだ」
彼の言葉にふと顔をあげると、絡み合った視線にドキッとする。
「だけど、堅苦しいことは考えないで、まずは僕のことを知ってほしいし、速水さんのことをもっと知りたい」
「はい」
この人と恋愛してみたい。
直感でそう思った。