箱入り結婚のススメ
「僕が送ったんだよ。登録してくれるかな?」
メールを開くと、件名に”室賀秀明”と書かれたメールが来ている。
"どうぞよろしく"と一文だけ書かれたメールに、顔が緩んだ。
「ひであきさん、ですか?」
「うん。舞さんだよね」
「どうして知ってらっしゃるんですか?」
合コンの自己紹介でも、名字しか言わなかったような……。
「あぁ、若槻さんがそう呼んでたから」
「あっ、そうですね」
他の人がなにを言っていたかなんてあまり覚えていない私は、少し驚く。
こういうところが、スキルがないというところなのだろうか。
いや、それとも他の人の言葉から情報収集するって、当たり前?
私があれこれ考えていると、室賀さんがスマホを覗き込んだ。
「それで……登録はできる?」
「えっと、お願いしてもいいですか?」
フッと笑った室賀さんは、再び私のスマホを手にして、すぐにアドレスを登録してくれた。