箱入り結婚のススメ
もう一度スマホを眺めていると、突然震えた。
「室賀さん……」
画面に表示された名前を見て、ドキッとした。
彼のことを考えていたからだ。
「もしもし」
『舞さん? 今、電話してても大丈夫?』
「はい。バス待ちをしているので」
冷静を装ってみたものの、心臓のドキドキが止まらない。
『そっか。腕はどう?』
「はい、痛みも引いてきましたし、大丈夫です」
『それはよかったよ。昨日、あれからご両親、どうだった?』
「えっ? あの……」
園を辞めるように言われたことまで話しているのだ。
そう聞かれるのが自然だ。
「あの……」
なんと言ったらいいのだろう。
麻子の言うとおり、室賀さんに話したほうがいいの?
だけど、“付き合います”と返事したわけでもないのに、巻き込むなんて。
『どこのバス停ですか?
実は僕、先週の出張の代休で休みなんです。迎えに行きます』
「いえっ、そんな……」