箱入り結婚のススメ

もう一度スマホを眺めていると、突然震えた。


「室賀さん……」


画面に表示された名前を見て、ドキッとした。
彼のことを考えていたからだ。


「もしもし」

『舞さん? 今、電話してても大丈夫?』

「はい。バス待ちをしているので」


冷静を装ってみたものの、心臓のドキドキが止まらない。


『そっか。腕はどう?』

「はい、痛みも引いてきましたし、大丈夫です」

『それはよかったよ。昨日、あれからご両親、どうだった?』

「えっ? あの……」


園を辞めるように言われたことまで話しているのだ。
そう聞かれるのが自然だ。


「あの……」


なんと言ったらいいのだろう。
麻子の言うとおり、室賀さんに話したほうがいいの?

だけど、“付き合います”と返事したわけでもないのに、巻き込むなんて。


『どこのバス停ですか? 
実は僕、先週の出張の代休で休みなんです。迎えに行きます』

「いえっ、そんな……」

< 91 / 450 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop