箱入り結婚のススメ
室賀さんの思わぬ申し出に、激しく動揺してしまう。
まさか、また会えるなんて。
『あぁ、そうだ。舞さんには、はっきり言わないといけなかったね。
迎えに行きたいんだ。舞さんに会いたい』
「はっ、はい……」
『会いたい』なんて、ストレートに言われて、思わず顔を赤らめる。
私だって、彼に会いたい。
でも、恥ずかしくて、とてもそんなことは言えない。
それでも、バス停近くの本屋で待ち合わせをすることになった私は、母にメールを入れた。
"麻子と食事をして帰ります。"
このメールを送るのを、何度もためらった。
だって、嘘だから。
でも、他に室賀さんと一緒にいられる方法が見当たらない。
本屋に入ると、雑誌売り場が目に入った。
ウーマンライフの最新号が発売されているのに気がついた私は、思わずそれを手に取った。