キスしたくなる唇
「そうじゃなくて、お店に入っても周りが気になって落ち着かないでしょう?」

「まあね……じゃあ、どこかでテイクアウトしてうちで食べよう」

「怜央のうち? 近くの公園とか……」

 一瞬、身構えたのがわかったのか怜央は苦笑いになる。

「千秋さん、公園じゃ寒すぎて風邪をひいちゃうよ。俺の家だったら落ち着いて食事ができるから」

「だって、怜央のうちってここから遠いんじゃ……?」

「ファンに見つかって引っ越ししたんだ。この近くにね」

「そうだったんだ……」

「千秋さん? 久しぶりに会ったんだから、ゆっくり話でもしようよ」

 怜央の家に行ってみたい。その願望はある。おおいにある。

「うん。そうだね。久しぶりにあったんだからそれもいいよね」

「おっけ。じゃあ、なんか買ってくるよ」

「怜央はいいから! わたしが買ってくるよ」

 また追い掛け回されたら、明日は確実に筋肉痛。
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