闇に響く籠の歌
「だろうね。でも、気がつくの遅すぎ。どうみても、お前のことアホじゃないのかっていう目で見てる人の方が多いんだけど?」


圭介の声に奥寺は叱られた犬のようになっている。だが、不思議なことに部屋の扉がゆっくりと開かれる。そこに立っているのは青ざめた顔色の女性。彼女は圭介たちと一緒にいる水瀬を見たとたん、叫び声を上げることしかできないようだった。


「水瀬君! お願い、助けて!」


< 52 / 65 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop