ヤクザは嫌い、です。

☆★☆★☆★☆



気のせいとは思っていたものの…



今日は何故だか
異様な視線を感じている。


見なくても分かる。きっと原因は木戸だ。
振り返ると何回も目が合うし…なんなの一体…



と思っていた矢先、問題は起こった。



「朱莉ー!帰ろ!」


「うん。」



いつものように授業が終わり、紗理奈と一緒に帰ろうとした時…



ガタッ!!!



さっきまで寝ていた木戸が急に立ち上がり…


え…なんかめっちゃ見られてる…?



そして私の前まで歩いてきたかと思うと


「おい小田原、ちょっと面貸せ。」


と言い放ち、スタスタと歩いていった。


…え?



私…なんかした?!



……



「ごめん紗理奈…優斗にちょっと遅くなるって言っといてくれない?」



私がため息をつきながらそう言うと、紗理奈は驚いた顔をして言った。


「え?!朱莉…木戸のところに行くつもり?!」



「うん…逆に行かなかったから後で何か言われても嫌だし…」



「そ、それも確かに…」



「じゃ。行ってくるね。」



そう言って木戸の後を追って歩いて行ったものの…



…あー…やだな…


面倒なことに巻き込まれませんように…

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