ビターエッセンス
そのキリリと澄んだ瞳が私の目を逸らさせない。
「ハル……何?」
「どんな顔して言ってるのかと思ったら。美知佳さん、泣きそう」
陽希はフフッと声を漏らすと、私の大好きな悪戯っぽい笑みを浮かべ、体を起こした。
途端、私の膝からはハルの温もりが無くなり少し寒い。
そう思った瞬間に抱きすくめられ、今度は彼の熱い体温を全身で感じた。
陽希の腕の中で、彼の香りを感じる。
「あのCMさ。俺、美知佳さんだと思ってやったんだよ」
陽希は癒すように私の髪を撫でる。
「はじめは表情が硬いって言われて、そのうち撮影押しちゃってさ。監督にコッソリ言われたんだ。惚れてる女だと思ってやれって。だから美知佳さんだと思って、こうやって……」
何度も私の髪をそっと手で梳く。
その指先が心地良い。
暫くそうやって抱かれていると、艶めかしい気持ちになる。
って、これじゃまるで、ちぃさんじゃない。
私が思わずクスッと笑ったら、陽希のキスが飛んできた。
「ムード台無し。……ねぇ美知佳さん、知ってる?髪にも感じるところがあるんだって」
「ん。気持ち良いよ」
陽希の腕の中、森林浴と同じ効果があるかもしれない。
「そうじゃなっくて、性感帯。正確には頭皮だけどね」
……私の周りって。
「もう、エロい顔して笑わないで!」
ムキになる私の耳を口付けながら、陽希は囁く。
「責任取ってね、美知佳さん」
貴方がその手でその指先で愛しいと囁くなら、私はそれを信じよう。
今宵、言葉よりも雄弁に、その指先は愛を語る。
--- End ---
「ハル……何?」
「どんな顔して言ってるのかと思ったら。美知佳さん、泣きそう」
陽希はフフッと声を漏らすと、私の大好きな悪戯っぽい笑みを浮かべ、体を起こした。
途端、私の膝からはハルの温もりが無くなり少し寒い。
そう思った瞬間に抱きすくめられ、今度は彼の熱い体温を全身で感じた。
陽希の腕の中で、彼の香りを感じる。
「あのCMさ。俺、美知佳さんだと思ってやったんだよ」
陽希は癒すように私の髪を撫でる。
「はじめは表情が硬いって言われて、そのうち撮影押しちゃってさ。監督にコッソリ言われたんだ。惚れてる女だと思ってやれって。だから美知佳さんだと思って、こうやって……」
何度も私の髪をそっと手で梳く。
その指先が心地良い。
暫くそうやって抱かれていると、艶めかしい気持ちになる。
って、これじゃまるで、ちぃさんじゃない。
私が思わずクスッと笑ったら、陽希のキスが飛んできた。
「ムード台無し。……ねぇ美知佳さん、知ってる?髪にも感じるところがあるんだって」
「ん。気持ち良いよ」
陽希の腕の中、森林浴と同じ効果があるかもしれない。
「そうじゃなっくて、性感帯。正確には頭皮だけどね」
……私の周りって。
「もう、エロい顔して笑わないで!」
ムキになる私の耳を口付けながら、陽希は囁く。
「責任取ってね、美知佳さん」
貴方がその手でその指先で愛しいと囁くなら、私はそれを信じよう。
今宵、言葉よりも雄弁に、その指先は愛を語る。
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