君恋 ~あの夏の記憶~
「先輩っ‼︎」
「ん?どーした結奈ちゃん⁈俺のプレー見て惚れちゃった⁇」
「違います。もう一回陽斗と1on1してみてください」
あたしはそう言った後に先輩に陽斗の癖と止め方を教えた。
これでも陽斗が勝ったら陽斗は本物だな。
でも勝てなかったら陽斗はまだまだ。
これからいくらでも伸びるけど。
でも相手に自分の癖がバレてんのに抜かせた時の嬉しさが半端ないんだよね。
それから暫く経ったけど陽斗は先輩にきれいに止められ、シュートを放つことさえもできなかった。
今まで陽斗ばっか見てて気づかなかったけど先輩も相当な実力の持ち主だ。
口でテキトーに伝えただけであの陽斗をこんなにも完璧に止められるとは思ってなかった。
あんなテキトーそうな人なのにバスケを始めたら真剣な表情になる。