君恋 ~あの夏の記憶~




「もう帰るっ‼︎」




そう言って出口を目指して歩き始めようとしたら陽斗に腕を掴まれた。




「ちょっと待った‼︎結奈、それはダメだ‼︎まだ俺のプレー見てないだろ‼︎

よしっ先輩1on1しましょーよっ‼︎」




「おうっいーぜっ‼︎今日は負けねーぞ‼︎」




今日はって…いつも陽斗が勝ってんだ。




陽斗がシュートを決めたと同時に、先輩の悔しそうな声が聞こえた。




「だぁーーっ‼︎また負けたっ‼︎」



「じゃ、今日も先輩の奢りってことで」




陽斗…いつも先輩に奢らせてんだ…




まぁでも陽斗は確かに上手い。



だけど…まだまだ甘い。隙が多すぎる。




特に攻めてる時、ディフェンスの動きをちゃんと見てない。




陽斗の攻め方を見破られた時にこれじゃすぐにカットされちゃう。






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