君恋 ~あの夏の記憶~
家に帰り、あたしはさっき貰った入部届と睨めっこしていた。
バスケ部に入りたいけど、親がなんて言うかわからない。
あたしがバスケをやめたとき、すごい迷惑かけたから…
でも、聞くだけ聞いてみよう!
「あのさ、お母さん…あたし、またバスケやりたいんだけど…ダメ、かな⁇」
あたしがそう言いながら、入部届を渡すとお母さんはすごく驚いてた。
「ダメなわけないでしょ‼︎
少し驚いたけど、また結奈のプレーが見れるなんて嬉しいわ」
お母さんは、涙を流しながらそう言ってくれた。
あの時はほんとに迷惑かけたな…。
「あたし、もう逃げないから。絶対インハイ行くから、お母さんも見に来てね」
「女に二言はないわよね⁈
またやるからには絶対頑張りなさいよ!」
あたしが辛い時、前に踏み出そうとしてる時、背中を押してくれるのはいつもお母さんだよな…。
インハイに行って最高の親孝行するからね‼︎
あたしはそう、胸の中で誓った。