青い残光【完】





その人は、視線を気にせず口を開いた。






「このクラスに、忍野(おしの)さんっている?」





「え……?」











その人は、わたしを探していた。




ーーーわたし、こんな怖そうな人に何か失礼なことした…!?








わたしの名前を耳にするなり、クラスの皆は、ザッとわたしを見てきた。
その目は、「こんな怖そうな人に何か失礼なことをしたんだろうか」…と言いたげだった。







わたしは、逃げだしたくなった…。


その先輩は、周囲の視線がわたしに向いていることに気付いた。










わたしを見て、先輩は問いかけた。




「……もしかして、あなたが忍野さん?」






「あ………はい、まぁ。」







恐怖から、曖昧な感じの返事をしてしまったけれど、先輩はそんなこと気にしていなかった。




探していた人物を見つけることが出来て、嬉しそうに微笑んだ。













< 13 / 183 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop