青い残光【完】
その人は、視線を気にせず口を開いた。
「このクラスに、忍野(おしの)さんっている?」
「え……?」
その人は、わたしを探していた。
ーーーわたし、こんな怖そうな人に何か失礼なことした…!?
わたしの名前を耳にするなり、クラスの皆は、ザッとわたしを見てきた。
その目は、「こんな怖そうな人に何か失礼なことをしたんだろうか」…と言いたげだった。
わたしは、逃げだしたくなった…。
その先輩は、周囲の視線がわたしに向いていることに気付いた。
わたしを見て、先輩は問いかけた。
「……もしかして、あなたが忍野さん?」
「あ………はい、まぁ。」
恐怖から、曖昧な感じの返事をしてしまったけれど、先輩はそんなこと気にしていなかった。
探していた人物を見つけることが出来て、嬉しそうに微笑んだ。