your magic
顧問をしている吹奏楽部の練習が終わっていても、明日の授業の準備とか、今日の練習の課題とかをまとめてから帰っているから、正樹さんが私より早く学校を出ることはない。図書室から出て、職員室に顔を出したが、トイレにでも行っているのだろうか、正樹さんの顔を見ることができなかった。
「お先に失礼します。」
お疲れさまです、と、数人からかかった言葉の中にも、正樹さんの声を聞くことができなかった。
沈んだ私の気持ちは、浮上するポイントを見失っていた。
自分の車に乗ると、タガが外れたように涙がこぼれた。
一秒でも早く帰ろう。そう思って、エンジンキーを回した。
「お先に失礼します。」
お疲れさまです、と、数人からかかった言葉の中にも、正樹さんの声を聞くことができなかった。
沈んだ私の気持ちは、浮上するポイントを見失っていた。
自分の車に乗ると、タガが外れたように涙がこぼれた。
一秒でも早く帰ろう。そう思って、エンジンキーを回した。