世界構想図
彼は疲れたのだ。自分の責任を全うし、戦い抜くことしかできない自分の宿命に、疲れてしまったのだ。
「そんなこと言うなよ。 お前にだってちゃんと守れたものはあるんだ。」
頭の中で響く声がだんだんと靄を薄め、しっかりとした概念として彼が捉えることができるようになっていた。
「後ろを見ろ。」声の主が指示をする。
彼は言われた通りに後ろを振り向く。そこには、彼が見たことのない光景が広がっていた。

大陸が、移動している。

自然と口が開き、目からは大粒の涙がこぼれ落ちていった。
今まで戦ってきた意味、そして、死への恐怖が全て解決されたのだ。
「ありがとう。 ――――ジン。」
彼はそう言い残して、本当に浄化されていった。
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