仕事しなさい!
私の内証を余所に、すっかりふくれっ面になった渡はスマホを操作し始める。


「完了」


「何が?」


渡が目の前のウィスキーをぐっとあおった。
それから、立ち上がり、私の手をつかむ。


「行くよ?」


「え?もう帰るの?」


固めの杯してないし、まだ来たばっかりなのに。
そもそもせっかくの高級ホテルのバーラウンジだよ!?


「帰んない。上の階に部屋とった」


渡はぐいぐい私をひっぱり、ボーイにその旨を伝えるとバーを後にする。


「部屋?泊まるの?」


「泊まりますよ。そんな話聞いた後で、倫子さんを優しく抱いてあげられるわけないでしょ?
今日は、これから朝まで、防音ばっちりの高級スイートでたっぷりイカせまくってあげますからね。遠慮なく声出しちゃってください」


「ちょっと!なにそれ!」
< 237 / 238 >

この作品をシェア

pagetop