仕事しなさい!
私たちのグループには男女ともに熱心なファンもついていて、大抵前列を陣取るのは彼らだ。
彼らご期待の振りがある。
センターポジの私がひとりを指名し、セクシーに指さす。
指さしたまま、ワンコーラス踊り、
最後にウィンク。

これにはいつも歓声が上がる。

私は躍りながら、ふとイタズラ心が芽生える。
ヤツはこの振り付けを知らない。

いっつもドキドキさせられっぱなしの私。
よし、反撃してやろうじゃないの。

私はくるんとターンすると、客席の須賀くんを指さした……。



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