今日は、その白い背中に爪をたてる
「それキープして、うんいいね。
ちょっと目線ちょうだい……はい、オッケー休憩入れよう!!」


パンッと手を鳴らせばお疲れー、と周囲が口々に互いを労い合う。


「あー首痛い……眠いわあ」


私はレンズから目を離して中腰の姿勢をなおす。首に手を当ててまわすと、コキコキと異様な音がなった。


「ふふふ」


すると、目の前に横たわる裸体の美女が、シーツだけを身にまといながらクスクスと笑った。


「ふふふ、リンちゃんたらおばさんみたい」


そう言いながら立ち上がると、彼女からふわりと甘い香りが漂う。


甘さが漂うのは勿論香水だけのせいではないのだけれど。


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