今日は、その白い背中に爪をたてる
グラスを退けて机に広げられた書類たち。


もう後戻りはできないのだと改めて認識させられて背筋が伸びる。


私は少し震えるままペンを手にして一度目を閉じた。


様々な思い出が蘇る。


三年前のあの日から決して色褪せることなく記憶に残り続けていた晴斗との関係は、今日で抹消される。



ーばいばい、恋心。



書いた瞬間に、何かが確かに弾けて消えていった。






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