俺様常務とシンデレラ
「仕事のこと言ってんじゃねえよ。俺は、俺の抜けてる女に言ってんの」
き、き、きゅうーーーん!
「じゃあな。お前の顔見に来ただけだから」
「はっ、はい! 連絡待ってますっ!」
私はすぐにでも小躍りしたいのをグッと堪えて、ビシッと敬礼をしながら常務の姿を見送る。
常務がバタンと秘書室のドアを閉めた瞬間、私はその場で悶絶した!
はい、そうです。そうなんです。
あの夜を過ぎても、魔法は解けなかったんです。
夢は覚めなかったんです。
バンザーイ!!
「ふふふ、俺の(抜けてる)女だって!」
私はふにゃふにゃととろける頬をそのままに、デスクの上の資料をどかして、力の入らない手で布巾を持ってメモを消す作業を再開した。
窓から見える青い空も、なんてことないいつものオフィスも、キラキラキラキラと輝いてみえる。
恋人同士になっても、常務はぜーっんぜん甘くない。
私のほっぺをお餅かなにかのようにぞんざいに伸ばしたりするし、バカとかアホとか平気で言うし。
でもいいの! 全然気にしない!