LAST SMILE ~声を聞かせてよ~







祐兎。


聞こえてる?


あたしだよ。麗華。


祐兎のために歌った歌、届いてるかな?


あたしは祐兎がくれたメッセージ、
ちゃんと受け取ったからね。


あたしのためにたくさんの言葉を残してくれてありがとう。




祐兎はいつだって、病気のことを隠してたね。


あの頃は病気のことなんて
何も分からなかったけど、
今、やっと理解できたの。


もっと早くに気付いていれば、
あたしも亜貴と一緒に、祐兎の力になれたのに……。






あなたの……







祐兎の歌う声が好きだった。




祐兎のギターが好きだった。




祐兎の笑った顔が、大好きだったの。








あの時は言えなかった。



祐兎に直接伝えられなかったことは、
いくら後悔してもなかなか消えてくれないの。



あたしが、もしあたしが医者だったなら、
絶対に祐兎を死なせたりしなかったのに……。







ねぇ、祐兎。



このメッセージは
祐兎に届くことはないってわかってるけど、


少しだけ聴いてくれるかな?


あなたのためだけの歌、聴いてくれるといいな。



祐兎、もうしばらくお別れだよね。


あたし、
今度からは後悔のないように、沢山の人を助けるから。



祐兎と同じような苦しみを与えないように、頑張るから。



だから、ずっと見守っていてください。


あたし、
祐兎の分まで、真っ直ぐに生きていくからね。





祐兎、大好きよ―。





~~♪~~





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