運命の二人~白と黒の物語~
ウルフファングが通れる位の穴が出来て、先に進もうとするがクレイは動かない。


「どうしたの、クレイ?行こう。」


何度も促すが、クレイは一向に動かない。


まさかクレイが動かないとは思わなかった。


(そうか。クレイは勝手に出ないように訓練されているのね。)


凛々はガッカリした。確かに一度も外に出たことはなかった。確認ミスだ。


でも。諦めたくない。



「クレイ。お願い。こんなこと二度としないから。森の側に行きたいだけなの。危険な事はしないから。ね、お願い!」


凛々は首筋を撫でながら必死に頼んだ。



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