運命の二人~白と黒の物語~
「そう思う?実は家族で過ごしていた部屋なんだ。ここには家族と凛々以外誰も、バルゴやマーサでさえ入ったことはないんだよ。」


ジャスティスは話ながら凛々を部屋の中央にあるカウチに案内した。


凛々が緊張しながら辺りをキョロキョロしている間に、ジャスティスがお茶をいれて戻ってきた。

凛々は驚いた。王様が自分でお茶をいれるなんて!


「意外だった?この部屋で過ごす時には何でも自分でするしかないから。」


そう言いながらもどこか楽しそうにしている。


カップをテーブルに置きながら
「マーサ程じゃないが、お茶をいれるのは上手いんだぞ。」
とウィンクして見せる。

紅茶のいい香りが鼻をくすぐる。

凛々はジャスティスを見た。いつもより寛いで屈託ない様子に、ますます彼の本心が分からなくなってきた。



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