運命の二人~白と黒の物語~
「違うな。民の幸せを、国を守る事は当然の義務で、願いとは違う。
…私の願いはただひとつだけだ。」


最後の言葉は凛々を真っ直ぐ見て、真面目な表情で答えた。


凛々もジャスティスを見た。


ジャスティスの願いは凛々にも直ぐに分かったので顔がうっすらと赤らんだ。


いつもの凛々ならきっと目をそらして逃げていたはずだ。


今夜はジャスティスの視線を真っ直ぐに受け止めて黙っていた。


口元にはゆったりと微笑みに似た表情を浮かべ、目はジャスティスをどぎまぎさせる、例の優しい光と色をたたえて。


眩しすぎる程の美しさにジャスティスは暫し言葉を失った。凛々の表情が何を意味するのかは分からない。


でも自分の心を胸を熱くし、希望を持たせてくれるには充分だった。



< 314 / 453 >

この作品をシェア

pagetop