運命の二人~白と黒の物語~
「あははっ!あの男に同情してるの?」


蔑む言い方に驚いて顔を上げるとリリー・ルゥの紅い目が怒りに満ちて、凛々を睨み付けていた。


「貴女だけは、私の気持ちが分かると思ってたわ。まさか、裏切られるなんてね。」


「待って。裏切るなんてそんな話一度もしたことないよね?」


「じゃあ、何故帰ろうとしないの?」


「…どうしてそんなにこだわるの?私が帰らないと何かいけない事でもあるの?ちゃんと教えて!」


凛々の目も怒りに満ち、リリー・ルゥを見据えた。

二人は暫くにらみ合っていたが、先に折れたのはリリー·ルゥの方だった。
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