エターナル・フロンティア~前編~
部屋の中心では、ニュース映像が投影されていた。その周りには、ニュースを見る人々が集まっている。一定の範囲に行けば音声を聞くことができるが、イリアは興味が湧かなかったので聞くことはしない。ただこの苦手な状況から解放されたいので、早い到着を願う。
イリアは溜息をつくと、窓の外を眺める。漆黒の闇は音のない深い海の底を漂うような感覚に襲われるが、イリアにとってはそれが心地いい。ふと、特殊な硝子に額を当てる。コンっと乾いた音が響き、硝子から宇宙の凍り付くような冷たさと微かな振動が伝わってくる。
(いなくなっちゃった……)
いつの間にか、軍の艦隊が姿を消していた。目的地に着いたのかそれともワープ空間に入ったのか、あの艦隊に幼馴染みが乗っていないことを願う。行けば必ず危険が伴う部隊に所属しており、どちらかといえば周囲からいい印象を抱かれない特殊と呼べる部隊だから。
(……あっ!)
ふと、あることを思い出す。もし幼馴染が何処か遠い場所に行っていたとしたら、此方から連絡を取ることができない。イリアは重要な部分を考えずに、これからの計画を立てていた。
自分もまた計画性がないことに気付き「相手のことを言うことはできない」と反省するが、彼女達の好き勝手な行動を考えれば自分はマシと言い聞かすが、流石にいい気分はしない。
相手が仕事を行っている間は絶対に連絡を取ることはできないので、最悪の状況である「徒歩」について、考えておかないといけない。父親の機嫌が直っていることを祈るか、それとも幼馴染が仕事中でないことを願うか。どちらにせよ、他人任せという部分は変わらない。
「不幸の連続かも」
手に持っていた小説に視線を落としつつ、イリアは自分の身に降り注ぐ多くの出来事を嘆く。彼女達に旅行に連れて行かれ、計画通り物事が進まなかった。また金銭面でも頼られ、返される見込みはない。ここまで不幸が続くと呪われているのではないかと、錯覚さえ覚えるほどだった。
「イリアって、彼氏いるの?」
ことのはじまりは、決まって唐突なものといっていい。友人の一人がそう質問してきたのも、何ら意味のないもの。ただの興味や好奇心を満足させる為に、イリアに質問をしてきたのだろう。逆に質問されたイリアは回答に困ってしまい、しどろもどろになってしまう。