エターナル・フロンティア~前編~
「まだ、いないけど」
「嘘! この前、男の人の一緒にいたでしょ」
「あ、あれは……」
「彼氏だと、思うけどな。メールのやり取りしているようだし。それなら、間違いないわね」
「えっ! どうしてそんなことを知っているの? 私、そういうこと言った覚えはないけど……」
イリアのオドオドとした質問に対し、友人達の回答はこのようなものであった。イリアの自宅に遊びに行った時に、こっそりパソコンの電源を入れメールを拝読。そのメールの内容から男がいると推測したらしいが、勝手に拝読となるとプライバシーの侵害もいいところだ。
しかしそれ以前に、どのようにして設定してあるパスワードがわかったのか。二人が裏でハッキング行為を行っているとは思いたくもないが、ここまで技術があると変に疑ってしまう。それに、何かと秘密が多い彼女達。案外、裏で人には言えないことをやっていそうで恐ろしい。
「じゃあ、私の幼馴染のことも……」
「今、何て言った。幼馴染!」
「それ、知っていると思っていたのに」
「面白いことを知ったわ」
「本当、いい情報」
こうなると、全ては遅かった。二人は新しい情報を得て互いに含み笑いをしており、いくら誤魔化しても後の祭り。この話は二人の間だけで済めばいいのだが、彼女達は話が大好き。数日後にはアカデミーの中に広がってしまい、様々な人物から絶対にからかわれるだろう。
「幼馴染みなんだ。知らなかったわ。ふふふ、いいこと聞いちゃった。でもさ~、メール交換している仲なら立派な彼氏じゃない。それにほら、幼馴染み同士は最後仲良くなるって話にもあるじゃない。も~、何で隠していたのよ。私たち友達じゃない。今度絶対に紹介して」
無理に近い頼みに、イリアは困惑してしまう。彼女自身、幼馴染に無理難題を言う行為は滅多に行わない。それを知らない相手は、こういう時に限って“友達”という言葉を使う。普段はそのように思っていないというのに、友人といって簡単に済ませてしまうのは実に嫌らしい。
イリアは俯き、思考を働かす。どうにかして諦めて貰いたいのだが、最悪二人に会うと決まったらイリアはそのように仲を取り繕えばいいのかわからない。それに二人がいい加減な態度を示し幼馴染の機嫌を損ねてしまったら、取り返しのつかないことになってしまう。