エターナル・フロンティア~前編~
それは、女性差別。
内心、ソラは「女性差別」という言葉が、嫌いで仕方がなかった。現在、女性も男性と同じようにバリバリと働いている。無論、彼女達は自身を男性と同等に扱ってほしいと言っている。
しかし――
時折、女という性別を盾に取る。言葉で「差別は禁止」と言っていながら、都合のいい時は女を演じる。だからといって、女を否定しているのではない。ソラは過去に、そのような女性を多く見てきた。それにより必要以上に身構えてしまい、イリアの言葉を素直に受け入れることができない。
それを考えると、タツキはいい方だ。「女性」という性別を盾に取らず、生活を送っている。ソラにしてみれば、其方の方が清々しい。それに研究所に勤めていた時、高い実績を出している。
言葉だけを言い自分から動こうとしない人間は、実に質が悪い。そして、自己主張の激しいのも考え物だ。無論、それ相応の努力をしているというのなら話は別であるが、努力もしないで騒ぎ続けるのは以ての外。特にそのような人物ほど、とやかく煩く言うのだから堪らない。
イリアは、この言葉をどのように思っているのか。それを聞いたことは一度としてないが「女だから」ということを前面に出して、動くということは見られない。それにイリアが置かれている状況を考えていると、それを言うのは間違っている。そう、あの世界は実力主義。
ソラは、ホッとしていた。
そう、イリアにはそのようになってほしくなかった。
一方で見た目の部分で、イリアは懸命に磨いている。化粧方法の変化と、質のいい化粧水とクリームを使用しているという。
金銭が厳しいといいつつ、イリアは無理して最新の流行ファッションを取り入れているらしい。確かに、見た目の観点で評価していけばレベルは上がっている。しかしそれが、無理をしているという証明にもなっていた。着飾って懸命に外見を良くしていくが、違和感は隠し切れない。
まるで、愚の骨頂。
一体、何がしたいのか。
ソラは、理解し難かった。
(女って――)
外見と内面のアンバランスな状況にソラは肩を竦めると、どうして其処まで外見に拘るのか考える。イリアは、何処か踊らされていると思ってしまう。ソラ自身、イリアはイリアのままでいい。コテコテに化粧をして素顔を隠してしまうより、素肌を見せる方が何十倍もいい。