エターナル・フロンティア~前編~

 イリアの自宅には、小さいながらも庭が存在している。そのような場合其処から土を拝借し注ぎ足せばいいが、ソラの場合それができない。故に、植物を育てるのにもお金が掛かってしまう。

 それに――

「これでいいと思っているのが凄いよ。やっぱり、イリアは何かが足りないのかもしれない」

 大雑把に草を抜いた影響で、鉢植えの中には複数の穴ができていた。それにより、数本の観葉植物が横に曲がっている。それを見ても何とも思わないイリア――ソラは、ガックリと項垂れる。一部から「お嬢様生活の影響」と言われているらしいが、案外それは正しい。

「やっぱり、やらせたのが間違いだった」

 これからイリアの頼みごとは、無報酬で行うのが一番だとソラは実感した。何かを行ってもらった場合、倍以上の後始末が待っている。現に、後で鉢植えの中に土を足さないといけない。そして数本は土から全て変更し新しい鉢植えに植え替えをしないと、枯れてしまう。

 しかし、それは今ではない。

 何より、イリアに菓子の作り方を教えないといけなかった。

 再びソラは、道具を探していく。やはり目的の物は、やはり奥の方へ仕舞っていた。それを取り出したソラは丁寧に洗っていくと、戻って来たイリアを横に立たせ、説明をしていった。




「これくらい?」

「うん? ああ、それでいいよ。で、これで綺麗に振るっていく。そうすると、綺麗な砂糖に変わるから」

「うん」

 そう返事を返すと、イリアは言われた通りに進めていく。意外に手馴れた手付きであったことに驚いたソラであったが、所々に不器用な部分も垣間見る。それは、初心者だから仕方がない。

 イリアが懸命に砂糖と格闘している横で、こぼれてしまった砂糖を拭いていくソラ。サポートは、完璧だった。

「できたわ」

 その言葉と共に、さらさらに変化した砂糖が入ったボールを目の前に突き出す。彼女自身懸命に頑張ったのか、嬉しそうに微笑んでいる。このようにしていると、実に女の子らしい。普段のイリアは、研究中心で動いている。そして下手したら、グロテスクな生物を鷲掴み。
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