エターナル・フロンティア~前編~
ユアンは、彼等を宥めていく。
口を開き、どうしてこの道を選んだのか語る。
簡略的に説明をすると、父親の影響。
そう、ユアンの父親も科学者として仕事を行っていた。それも、同じ分野だったという。それを聞いたイリアを
含め全員が、目を丸くしてしまう。そして、ざわざわと驚きが広がる。
「す、凄いです」
「そうかな」
「はい。凄いです。この分野は難しくて、多くのカイトスの憧れだったりします。それを簡単に……」
正直な意見に、ユアンは苦笑してしまう。そもそも、この世界は「簡単」の言葉が当て嵌まらない。
先程、ユアンは「努力と根性」の二つの単語を使った。それは、身を持って知っているからだ。
ユアン自身、簡単に今の地位を得たのではない。学生時代、必死に勉強をしていた。毎日徹夜を繰り返し、知識を吸収していく。まるで、何かにとり付かれたように知識を貪った。
生来の天才と呼ばれていても、裏で血の滲むような努力を行っていた。ユアン曰く「本当の天才」は、存在しないという。歴史の中に、天才と呼ばれている人物は数多に存在する。
彼等も、何かしら努力をしている。そうでなければ、天才だけで物事が上手くいくわけがない。
そう、ユアンは淡々と語る。
その間、他の者達は静かに聞いていた。
「父と同種の道を選んだのは、一種の好奇心。未知の存在に惹かれたというか、実に楽しい」
「博士も、そのように思いますか!」
「ああ、勿論」
「新しい物を発見し研究を続けて、後世まで名前が残るほどの有名人になりたいです。それ、俺の夢です」
「近々、追い抜かれるな」
「ラ、ラドック博士を……無理です」
間髪いれずに、否定の言葉が上がった。どのように逆立ちしても、ユアンという人物に勝てるわけがない。一瞬にして動揺が走り、誰もが真っ青な顔をしていた。特に自身の目標を語った人物は、貧血の影響で後方へ倒れそうになってしまうが、寸前でユアンに救い出された。