エターナル・フロンティア~前編~
「俺が一番」
「ずるいぞ」
「いいじゃないか」
「じゃあ、私が――」
「それこそが、抜け駆けだ!」
「それなら、ジャンケンで決めるといい」
ユアンの言葉が、口論を起こしていた者達の言葉を止める。同時に全身体を振るわせ、互いの顔を見合う。
ユアンの低音の声音には、想像以上の威力が存在する。言葉だけで相手を殺害できるのではないかという錯覚に陥るほど、言葉が鋭く刃物に等しい。それに、どす黒いオーラが混じる。
「よ、よし……」
「い、いくぞ」
「おう!」
円を作るように頭を付き合わせると、ジャンケンを開始する。一回目二回目――徐々に、敗者が消えていく。
「よっしゃあ!」
「く、くそ」
「俺から質問!」
「……仕方ない」
決勝戦で負けた人物は不満たっぷりの表情を浮かべているが、ユアンを目の前にして文句は言えない。しかし負けた者は、二番目に質問をすることができる。一番最悪なのは、最初に負けた人物だ。その者は自身の運の無さを嘆いているのか、テーブルにうつ伏していた。
だが、誰もその者を助けることはしない。
そう、運がない方が悪い。
ただ、それだけの理由だった。
「質問です」
「どうぞ」
「博士は、どうして今の道を選んだのですか?」
「あっ! それ、私が……」
「早いもの勝ちだ」
勝者の余裕というやつか、一番で質問をする権利を得た者は、不適な笑みを浮かべていた。ユアン・ラドックという人物を目の前にした瞬間、彼を尊敬している者は思考を大幅に狂わしてしまう。それにより普段では発言しないような言葉も平気で発し、盛り上がっていった。